2016年01月05日

なっちゃんと一緒に空港へ(5日目 その7)

コトが終わると,なっちゃんは少し照れたように笑って,それからシャワーを浴びるためにバスルームに入ってゆきました.ベッドから出て荷物を整理していたら,セキュリティボックスの上にホテルのコンドームを発見.なんとなく気まずいので,ランドリーバッグの下に隠しておきました.短い時間で出てきたので,交代でシャワーを浴びました.部屋戻って,シーツに入ると直ぐに眠りについてしまいました.

翌朝,6時30分少し前に目が覚めました.6時半に設定してあったiPhoneのアラームはまだ鳴っていません.隣ではなっちゃんがまだ寝息を立てているようです.しばらくベッドの中でボーっとしているとアラームが鳴り出して,なっちゃんも目を覚ましました.

昨日のうちにある程度片付けてあったので,服を着て顔を洗い,洗濯物をスーツケースに片付けるとチェックアウトの準備がほぼ完了しました.彼女はどうするつもりなのか気になります.

「これからどうするの?」
「家に帰る」
「家はどこ?」
「空港の近く」
「じゃあ一緒に行く?」

そう訊ねると,少し考えてから「ラートクラバンまで一緒に行く」と答えました.スワンナプーム空港の一つ手前の駅ですね.そこからはタクシーに乗って自宅まで帰るようです.ここでお母さんと二人暮らしているのですね.

チェックアウトを済ませると,手を繋いでシティラインのマッカサン駅まで歩きました.駅では,キップを別々に購入.彼女の分も買ってあげようと思っていたのだけど,さっさと自分で買ってしまいました.ホームに出るまでは二人ともほぼ無言でした.次の電車が来るまでにまだ少し間があるようで,ホームにはあまり人影がありません.

「次はいつ来るの?」

なっちゃんが突然ポツリと言いました.このとき,まだ次の予定は決めて居なかったのだけど,思わず「たぶん9月」と答えちゃいました.

「きっと?」
「仕事が片付いたら」

そういうと,なっちゃんはまた無言に戻りました.ひょっとしたら疲れているのかな,と思いこちらからもあまり話しかないようにして,ただ手を繋いでいました.

シティラインは通勤や通学中と思われる乗客で混雑しています.なっちゃんと一緒なのは少し恥ずかしいのですが,誰もそんなことは気にしてない様子です.目的の駅が近づいてくると,なっちゃんの手を繋ぐ力が少しだけ強くなりました.驚いて彼女の方を見ましたが,なっちゃんの顔は窓の外を眺めたままでした.

乗っていた電車が減速し,ラートクラバンのホームが見えてきたとき,やっとなっちゃんはこちらを向きました.

「また会える?」
「もちろん」

そういうと少しだけ口角が上がりました.なんだかキュンとしてしまいます。

電車はホームに入り,いよいよ速度を落としてゆきます。いよいよ彼女ともお別れのときです。チップは渡すべきだけど,それやると純粋なデートにケチが付きそうであんまり気が進みません.それに彼女は今,お店で働いているわけじゃありません.できれば彼女にも,デートだったと思って欲しいと思いました.そこで,「これはタクシー代ね」そういって,1,000バーツ札を手渡しました.なっちゃんは無表情にそれを受け取ると,一言「ありがとう」とつぶやきました.

電車が停止してドアが開くと,なっちゃんはドアをくぐり,振り向くこと無くホームへと消えていってしまいました.さっきまで握られていた手になっちゃんの余韻を感じながら,スワンナプームまでの最後のひと駅を電車に揺られました.

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